birdiebike’s 私と自転車の話題はタダ

年を取ったときに読み返すよう、自分専用備忘録。美しい老後のために悪口禁止。ネガティブ厳禁。

自伝のような記録 1「金色の粉 」


20代後半はいつも3人くらいと定期的に会っていた。
付き合っていたというと語弊があるかもしれないけれど、
そこそこの優先順位を授けられ、そこそこな束縛モードは受けた。
モードに過ぎなかったのは、全員既婚者だったからだ。
おかげで3人回していけることができた。
体は大変だったけれど、この状況にバランスするよう
気持ちと脳の回転が最適化された気がする。
今も私のどこかにその時に調整した何かが
しっぽの跡のように残っているからだ。

3人目を捉えてしまったと報告した時、1人目から
もう金色の粉を振りまくな、と言われた頃が懐かしい。
今ではそんな粉、どこから出すのか、ひとふりできるものなら見てみたいものだけれど
粉を作っていた臓器がどこだったかはわかるような気がする。
動かすことは無理でも、ここにあるなと。使おうと思えば使えるのか、
当時のように脳の回転と連携するのか、錆びつきっぷりを確認するのも一興か。

テリーとアルバートさんを足して2で割ったような3人目は
控えめに言っても理想のオトコで、私の運命の人だった。
今一緒に住んでるのだ。夢は叶った。
やり抜いた自分を褒めてやりたいと
しみじみとする、その同じ脳みそが同時に、
ゆるゆると回転鈍くなっていくのもまた寂しく思うのだった。
あんなにクルクル回っていたのに、
必要なくなると、動かなくなるのものなのだな。

そして体は緩やかに太っていき、
私の気持ちは
退屈とはちがう方向に、でも似た曲線を描いて
持て余し気味に伸びてくる。

15年。

後に運命の人と思えるオトコを
当時自慢だった容姿とコミュニケーション能力で拿捕した3ヶ月後
ワールドトレードセンターに飛行機が突っ込んだ。